青木整形外科医院


 整形外科

全身の症状
運動器不安定症

運動器不安定症は、「高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態」と定義された病気で、平成18年4月に認められた新しい病名です。 高齢になって発症する病気で、運動器が不安定になって筋力やバランス能力が低下するため、転倒のリスクなどが高くなります。 ここでいう「運動器」には、骨、関節、筋肉、靱帯などが含まれているため、日常活動にはなくてはならない重要なもので、これらの「運動器」に障害を受けると、自分で身の回りのことができない「要介護状態」になっていまいます。 この病気の原因としては、骨の成長が活発な10代から20代の時期に、栄養バランスのとれた食事をきちんと食べていたかどうか、また適度な運動して行っていたかどうかが大きく影響していると言われています。

ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)とは、日本整形外科学会が2007年に提唱した概念で、「運動器の衰え・障害により要介護になるリスクが高くなる状態」のことをいいます。メタボや認知症と並び、寝たきりや要介護状態の主な原因となっているため、厚生労働省が発表した第2次健康日本21では、2022年までにロコモに対する国民の認知度を80%までに上げることを目標に掲げています。ロコモティブシンドロームの原因としては、大きく分けて変形性関節症、関節リウマチなどの「運動器自体の疾患」と、「加齢による運動器機能不全」の2種類があります。

関節リウマチ

関節リウマチの原因は、免疫システムの異常によって発症することが分かっています。 免疫とは、病原体などが体内に侵入した際に、それらを攻撃する抗体を作って病原菌などを体外へ排除するシステムで、人間の身体に備わっている自己防衛機能のことです。そのため、この免疫システムに異常が発生すると様々な病気を引き起こす原因となります。 免疫システムの異常によって引き起こされる病気としては、花粉症や食物アレルギーなどがよく知られています。これらの病気も、自己免疫疾患と呼ばれるもので、本来なら免疫反応を起こさないはずの自分の体の中にある成分を、外部から侵入した異物だと判断して抗体を作ってしまうことによって発症するものです。 関節リウマチはこれらの病気と同じ自己免疫疾患のひとつなのです。 現在、関節リウマチの患者の約70%がリウマチ因子と呼ばれる自己抗体をもっていることが分かっているのですが、このリウマチ因子が関節リウマチの原因だとは断定できていません。このリウマチ因子を持っていても健康な人や、逆にリウマチ因子を持っていなくても関節リウマチに罹っている患者もいることが分かっている症例があるからです。

痛風

痛風発作は、いろいろな理由で血液中の尿酸の濃度が高くなり、 飽和濃度を越えると高尿酸血症 という状態になり、この状態が長く続くと尿酸塩の結晶が関節の骨と骨の間に沈着して、からだの防御機構である白血球が反応して攻撃する時に起こります。 尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能にも注意が必要です。さらに、痛風患者の場合、心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。

骨粗鬆症

骨粗しょう症は、その原因によって大きく「原発性骨粗しょう症」と「続発性骨粗しょう症」の2つに分けられます。原発性とは加齢や閉経によって引き起こされるもので、続発性とは他の病気や薬によって起きる骨粗しょう症です。 骨密度、骨量は、思春期から20歳がもっとも多く、40歳頃まではその値が保たれますが、その後減少して吸収の亢進によって失われた骨量を、骨形成で埋めることが出来なくなると、骨密度が減少してしまいます。原因となる病気などがなく、このように加齢や閉経によって引き起こされる骨粗しょう症が原発性骨粗しょう症です。 この骨吸収が亢進する原因には、エストロゲンなどの性ホルモンの低下やカルシウム、ビタミンDの欠乏などがあげられます。閉経後の女性が骨粗しょう症にかかりやすい原因は、性ホルモンの低下と考えられています。 2つめの「続発性骨粗しょう症」は、病気や薬の影響で二次的に起こるタイプです。この場合、まずは原因となる病気の治療法や服用している薬などについて検討する必要があります。 これら2つのタイプでその治療法が大きく異なるため、骨粗しょう症が疑われる場合には、まずどのような原因で発症しているのかを調べ、原発性か続発性かの判断を行うことが重要です。

ガングリオン

ガングリオンは弾力性の腫瘤で、関節の近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体がたまります。発症の原因は、現在の医療ではその原因を解明するまでにはいたっていません。 そのため「軟骨が出てきた」と誤解されて放置されている場合も多く見受けられます。 ガングリオンは、一度治療して取り除いても、またできてしまうこともあるのですが、再発の原因についても、いまだに解明されていません。 ガングリオンは、筋肉や腱、靭帯の近くにできやすいのですが、特に手首や足首、膝などにできやすいと言われています。また稀に腕や指にできることもあります。 男性よりも女性のほうが3倍も発症率が高いというのもガングリオンの特徴です。

変形性関節症

変形性関節症は、「関節軟骨の変性・摩耗とその後の軟骨・骨の新生増殖、および二次性滑膜炎などに基づく進行性の変性関節疾患」と定義されています。つまり、まず何らかの原因で関節の軟骨が傷み、すり減ってくるのでそれを修復しようとして、周囲の負担のかかっていない部位に異常軟骨や骨棘をつくるのです。 こうして関節の変形が進むと、関節内の滑膜という組織が炎症を起こし異常に増殖して、関節内に水が貯まります。 関節の変形は、全身のどこの関節でも起こるので、加齢とともに発生頻度は高くなります。しかし関節に変形が起きても、あまり体重のかからない関節などでは、傷みなどの症状が全くないこともあります。 このような関節の変形に、ある種の症状が伴ったものを「変形性関節症」といいます。 膝関節や股関節など、体重がかかる関節で発症しやく、スポーツ選手や重労働者、中年以降の肥満した女性などに多く発症する傾向があります。特に日本の場合、畳や布団の生活をしている人が多いので、膝や足首の関節に負担がかかりやすいことも関係しています。

軟部腫瘍

現在、軟部腫瘍の原因は明らかになっていませんが、最近の研究では何らかの原因による遺伝子の変異が原因ではないかと言われています。また、他の疾患の際の放射線治療によって、照射された部位に発生する二次性の悪性軟部腫瘍もあるため、放射線障害の可能性も指摘されています。 軟部腫瘍は、体の軟らかい部分(脂肪・筋肉・血管)などに腫瘍ができると軟部腫瘍と診断されます。 日本で軟部腫瘍と診断されるのは10万人に2人と言われており、比較的珍しい病気とされています。 軟部腫瘍には良性と悪性があり、良性軟部腫瘍には脂肪腫やガングリオンなどがあります。良性なので気にならなければそのまま放っておいても問題ありません。 悪性軟部腫瘍にはたくさんの種類がありますが、「悪性線維性組織球腫」などが代表的です。

骨折

骨折のおもな原因は、外傷、過度の運動、病気です。 外傷による骨折は、外力がかかったことによって起こります。 例えば、転倒、転落、衝突、交通事故などによる外力がかかった場合です。 軽い転倒など弱い外力の場合は、骨折しても軽度ですみますが、交通事故や高所からの転落のような強い外力の場合は、複数の箇所が骨折したり、開放骨折によって他の臓器が損傷する場合もあります。 過度の運動による骨折は、骨の特定の部位に繰り返し外力がかかることで起こる骨折で、疲労骨折といいます。マラソンのように走る競技では脛骨が、サッカーやバスケットでは中足骨などによくみられます。 病気による骨折は、病気のために骨がもろくなっているため、軽微な外力によって骨折を起こします。

小児の骨折

小児の骨折にはいくつかの特徴がありますが、その中でも一番特徴的なのは小児の骨の特性によるものです。小児の場合、元気に外で遊んでいるうちに転んで骨折します。しかし、小児の骨は成長途中で骨には多数の小さな空洞があるのと、骨を覆っている骨膜が厚くて丈夫であることによって、外力に対して柔軟性がありますが、大人と違う骨折になることが多くなります。 最近の小児は昔に比べて骨折しやすくなったと言われていますが、その原因は次の2つだと考えられています。 ひとつには、食事におけるカルシウムの摂取不足とリンの過剰摂取です。 リンの過剰摂取というのは、レトルト食品や加工食品、お菓子などに含まれている食品添加物(リン酸塩)が原因です。 このリンは、血液の中でカルシウムの濃度と一定になるように保たれているため、リンを摂りすぎるとカルシウムが不足してしまいます。慢性的なカルシウム不足の状態になると、骨からカルシウムを溶かして血液中のカルシウムを補おうとするため、骨がもろく折れやすくなるのです。 食品添加物やリン酸塩を多く含む食品は、ソーセージ、ハム、缶詰、インスタントラーメン、中華めん、ソース、スナック菓子、アイスクリーム、清涼飲料水などがあります。 運動不足については、ゲーム機に夢中になっている子供の姿を思い浮かべていただければ、あらためて言うこともないでしょうから省略させていただきますが、やはり適度な運動をさせることが大切です。

捻挫

日常動作や運動をしていてバランスを崩した際、関節が通常とは異なる方向に曲がることで起こります。また、関節の可動範囲を超えてしまう程の強力な負荷がかかることで捻挫になることもあります。関節に負荷がかかると、関節を支えている靱帯や腱、軟骨に傷が付いてしまい、その周りにある血管が切れて内出血を起こします。また、負荷が強いと筋肉まで傷めてしまうこともあります。突き指は捻挫の一種ですが、脱臼、骨折などは捻挫には含まれません。

しびれ

脳や神経に何らかの障害が起こったり、血の流れがさえぎられたりして起こります。神経が傷害される原因としては、神経の一部が圧迫されることの他に、糖尿病などの病気やアルコールなどがあります。また脊椎が圧迫されてしびれが起こる場合やビタミンが不足している場合、薬の副作用で起こる場合もあります。しびれの原因となる病気には様々な物があり、糖尿病や膠原病などの大きな病気が隠れている場合もありますので、注意が必要です。

術後感染症

手術を行う際に手術を行っている部分から菌が入ってしまい、菌が繁殖することが術後感染症の原因と言われています。菌はどこにでも存在するため、手術中に患部が空気にさらされるだけでも感染しやすくなります。手術で感染症を起こしやすい事は一般的に知られているので、手術時間が長くなることが予想される場合などには、予防を行うことが多いようです。予防には抗菌薬をあらかじめ投与しておく方法がしばしば用いられます。抗菌薬が投与されたら飲み忘れないように注意しましょう。

首・肩の症状
頚椎椎間板ヘルニア

長い間座り続けたり、重い荷物を持ち上げようとしたり、ストレスがかかることが頚椎椎間板ヘルニアを引き起こします。頸椎は首の部分にあり、頭を支える役割をもっています。脊椎と脊椎の間には椎間板と呼ばれる組織があり緩衝剤の役割を果たしているのですが、この椎間板組織が壊れた状態が頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれています。椎間板の組織が壊れてしまうと、脊椎の中心を通っている脊髄や神経根を圧迫してしまい、様々な症状が起こります。

頚椎症性脊髄症

姿勢が悪かったり、歳を取って老化がすすんだりすると、椎間板が変形したり骨が角張ってきたりします。この変形部分や、とげのように尖ってきた骨によって、脊髄が圧迫されることが原因で起こると言われています。脊髄が圧迫されると、手や足をはじめとした様々な部位に影響を及ぼします。転んだり、交通事故にあってしまったりなどして、首に外側から強い衝撃が加わって脊髄が傷つき、頸椎症性脊髄症になってしまうことも少なくありません。

頚椎症性神経根症

姿勢が悪かったり、歳を取ったりすると、椎間板が変形したり骨が角張ってきます。この変形部分や、とげのように尖ってきた骨によって、脊髄から枝分かれした神経根が圧迫されることが原因で起こると言われています。普段の姿勢なども原因の一つです。頸椎症性神経根症では特に首の後ろから発症することが多いと言われていて、テレビやパソコンなどのディスプレイを見る際、首を後ろにそらす癖がある場合に起こることが多いです。

斜頚

斜頚には、生まれつきのものと、病気の後に起こる物があります。生まれつきのものとしては、頸椎や胸椎が正常な形をしていない場合、後頭部と鎖骨の間の筋肉が拘縮してしまう場合などがあります。病気が原因で起こるものとしては、中耳炎や扁桃腺が原因としてあげられます。これらの病気にかかった後に頸椎の並びがおかしくなってしまうことで首が傾きます。その他に、眼を動かしている筋肉が正常ではないために首を傾けてしまう場合もあります。

外傷性頚部症候群

外から衝撃が加わることによって首が不自然な方向に曲がり、捻挫状態になってしまうことが原因で起こります。外から衝撃が加わる理由としては交通事故や転倒などが多くあげられます。外から衝撃が加わると、衝撃を受ける際に頸椎を守ろうとして筋肉がこわばり、筋肉が一部分裂けてしまったり、靱帯が障害を受けたりします。これが原因となります。また、首を捻挫した後にしばらく首を動かさないでいると、痛みや肩のこりが長引いてしまうことが知られています。

スポーツ外傷の応急処置

スポーツを行っているときに、人とぶつかってしまったり、物にぶつかってしまったりして、身体に衝撃が加わることで起こります。ぶつかった物の固さ、大きさ、性状、身体のどの部位に衝撃を受けたのかによって外傷の重症度や種類が変わります。例えば鋭利な物にぶつかった場合は出血を起こす可能性が高くなります。また、硬い物にぶつかった場合には骨折している可能性が高くなります。怪我人が何にぶつかったのか原因を知り、患部がどのような状態になっているか把握することで正しい処置を行うことが出来るようになります。

疲労骨折

疲労骨折の原因は、弱く小さな力が同じ場所に継続して加わったことにより骨にひびが入ったり骨折にいたる場合もあります。選手側の原因として準備運動をきちんと行わないことにより筋肉がほぐされていない状態での負荷のかかった運動や、体の柔軟性が偏っていると無意識に同じ場所に負荷がかかってしまいます。環境側の原因としては、無理なトレーニングスケジュールや負荷のかけすぎ、練習や競技する場所が硬すぎたり、逆に柔らかすぎるのも原因の一つになります。

肩こり

人間は重い頭部を背中の筋肉が支えるため、肩や背中は常に緊張状態になります。そのため、筋肉は疲労状態となり、血管を圧迫、結果血液の流れが悪くなり酸素や栄養が届かなくなります。結果として疲労による老廃物、乳酸が排出されなくなります。この乳酸の蓄積が肩こりとなります。また、ストレスといった外部の影響と視力の低下、胃潰瘍、血圧異常などが原因となることも多くあります。

五十肩(肩関節周囲炎)

原因としては糖尿病、頸椎疾患、あるいは胸部の内臓疾患、腱板断裂あるいは骨折、脱臼が上げられます。それ以外の「五十肩」は原因不明の症状をいいます。肩と腕の付け根である肩関節は3本の靭帯でつながっており、おのおのが緊張状態にあると、固くなることがわかっています。縦に3本ある一番した、脇に近い一本が堅くなることで、腕を上げるときに痛みが生じます。肩が固まる状態はこのことをいいます。緊張の原因はわかっていません。

肩腱板断裂

肩関節を安定させる筋肉、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)の「腱」などが骨との摩擦で炎症を起こし、断裂に向かうことをいいます。インピンジメント症候群(滑液包に浮腫や出血が起こる)などのように過度な運動による摩擦で腱板損傷が増大し、靭帯が伸びて緩い状態になると、腱板が圧力に耐えきれなくなり、完全に断裂します。

石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)

肩の筋肉に石灰(リン酸カルシウム結晶)が沈着していくことによる急性の炎症が原因です。30代以降の女性に多く見られ、加齢やホルモンの影響によって腱板が変成します。石灰は若いうちは牛乳のような濃厚な形状ですが、経年化するうち、ゲル状化し、最後には非常に硬くなります。この石灰膨張が痛みの原因となり、腱板から滑液包内に破れ出る瞬間、堪え難い激痛が襲ってきます。

反復性肩関節脱臼

肩の構造は鎖骨、上腕骨(腕)と肩甲骨のあいだでよく動かされ、不安定であるために脱臼のしやすい部分です。肩関節はひざと同じように肩甲骨の先端にある小さな皿(関節窩=かんせつか)により大きな丸い玉(上腕骨頭)が乗った状態であり、激しいスポーツや事故での転倒は脱臼になりやすいといわれています。また、腕を上げて転び、床に手を強打したり、強度な力で体の後方に引っ張られる場合に、よく起こります。

腰の症状
腰痛

腰痛の原因は筋肉疲労・筋力低下・骨格の歪み・血行不良・ストレスなどが挙げられます。具体的には運動不足により筋肉が緊張して硬くなってしまい、負荷をかけることにより腰痛になってしまうもの。無理な動作や同じ姿勢での継続した作業、急激な体重増加や肥満、内蔵の病気、スポーツや事故などの外傷によるもの、そして精神的な緊張によるものなど原因は様々です。多くは腰の筋肉が過剰に緊張を強いられるような環境にいた場合に腰痛になる場合が多く見られます。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は髄核と線維輪でできており背骨をつないでクッションの役割をしています。その一部分が出てきて神経を圧迫することにより症状が現れます。その原因としては、様々な要素が影響して発症します。それは、遺伝的要素や骨の老化、姿勢が悪いことによる椎間板への負荷、椎間板の老化、重労働、喫煙、重いものを持ち上げる、体をひねる、長時間の座った仕事や車の運転など悪い姿勢での動作や作業などがヘルニアが起こりやすい原因の一つになります。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は脊柱管が何かの原因で狭くなってしまい、結果血管や神経を圧迫するため起こります。狭くなる原因としては、生まれつき脊柱管が狭いことが原因の先天性脊柱管狭窄症や、加齢や労働、背骨の病気などの影響で変形したことが原因によるもの、椎間板ヘルニアなどによる合併狭窄やすべり症により脊柱管が狭くなってしまったもの、成長の途中で脊柱管に広さができなかったものが原因の後天性脊柱菅狭窄症などが挙げられます。

腰椎変性すべり症

腰椎変性すべり症の原因は椎間板ヘルニアと似ており、椎間板の老化により弱った背骨に負担がかかりすぎることにより骨の一部がずれてしまい、腰椎がずれることによって脊柱管が狭くなって神経が圧迫されて症状がでます。長時間、腰全体に負担がかかる姿勢をしたり、不安定な姿勢、かかとの高い靴の履きすぎやしりもちなどによる外傷、体重増加や肥満、筋力の低下により腰を支えられなくなるなどの要因により腰椎がずれてずれた腰椎が神経を圧迫することになります。

腰椎分離症・分離すべり症

分離症の原因は生まれつきの先天性のものと、運動などで繰り返し負荷がかかることが原因の後天性のものがあります。多くは骨を形成する成長期に腰に負担のかかる運動を行うことによって疲労骨折が繰り返されるため症状となって現れます。10代に分離症を発症し、それが徐々に分離すべり症に進行していく場合があります。また、運動前のストレッチや準備運動不足で、筋肉をほぐさない状態での運動が腰椎分離すべり症を引き起こす原因となってしまいます。

側弯症

側弯症は色々な原因で起こりますが、乳児期・学童期・思春期の成長とともに発症する特発性側弯症、姿勢の悪さが原因で起こる機能性側弯、脊髄神経や背筋の麻痺が原因で起こる神経・筋力側弯症、そして先天性の変形か元で脊柱に側弯がおこる先天性側弯症があり、特に多いのが小学校高学年から中学生にかけての子どもにみられる原因不明の特発性側弯症です。先天性側弯症は脊髄が圧迫されて下肢の知覚障害・運動障害が出る場合もあります。

後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症

後縦靱帯骨化症は複数の要因が重なり合って発症すると考えられています。その要素としては遺伝的要素、カルシウムやビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満傾向、老化現象など色々な要素が原因と考えられていますが、原因の特定には至っていません、黄色靱帯骨化症の原因は不明です。黄色靭帯骨化症は後縦靭帯骨化症と合併しやすいという事実があり、胸椎と腰椎の連携する部分に負担がかかりすぎるために起こりやすいとされています。

脊椎椎体圧迫骨折

背骨の錐体が押しつぶされて変形してしまう脊椎椎体圧迫骨折の主な原因は骨粗鬆症です、骨粗鬆症は骨がスカスカになり、徐々にもろくなって骨折を起こしやすくする病気で、運動不足や喫煙・食事などの生活習慣や加齢、女性の閉経後のホルモンバランスの変化があげられます。骨粗鬆症がある高齢者は外傷が加わらなくても、体の重みを支えきれずに尻もちやくしゃみなど、ちょっとしたきっかけで錐体がつぶれてしまい、脊椎椎体圧迫骨折を引き起こします。

肘・手の症状
肘部管症候群

肘関節の内側には尺骨神経とよばれる管があります。肘部管ともいわれる管は上腕骨にある下端の溝に沿っており、肘を曲げたときに引き延ばされます。その結果、尺骨神経はこの溝に直接触れることになります。この溝は皮膚の内側にあるため、外傷などの圧力で神経に直接作用しやすく、関節を曲げた状態の運動や作業、あるいは肘そのものの変形やガングリオンによって症状がでてくることがわかっています。また透析患者の場合、筋膜靭帯にアミロイドが付着し、圧がかかることが原因といわれています。

野球肘

野球肘とは、ボールを投げすぎる事により起こる肘の痛みです。リトルリーガー肘、ベースボール肘ともいいます。野球選手に多く、悪いフォームによる長期間の投球や、投げ過ぎなどで肘に負担がかかることによって起こります。上腕骨がまだやわらかい小学生〜成長期に多く、上腕骨が内側障害を起こします。高校生〜社会人の野球肘は、上腕骨ではなく肘の内側に大きな負荷がかかり、靭帯が痛むことによって起こりやすくなります。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

肘の外側に痛みを生じるテニス肘とは、原因は手首を反らすことで、上腕骨外側上顆周辺に炎症が生じるために起こります。テニスではバックハンドの際に手の甲を表にしてラケットを当てます。また、パソコン作業でもマウスを握る際、手は山掴み状になります。この際も手首は反り返る状態になります。この状態を頻繁に継続することで、尺側手根伸筋、総指伸筋、短橈側手根伸筋が酷使され、炎症を引き起こします。

肘内障

肘内障は、前腕にある橈骨の小頭が輪状靭帯から少し外れ、亜脱臼になった状態です。脱臼ではないため、比較的簡単に元の位置に整復することができます。肘内障は子供に多く、原因は輪状靭帯が弱いために起こります。子供が転びそうになってとっさに手を引っ張るなど、手をつないで歩いているときによく起こります。また、自分で転んだり寝返りをしたりするときなどにも起きることがあります。大人の場合は輪状靭帯が強く固定されているため、肘内障が起こる事は滅多にありません。

上腕骨顆上骨折

上腕顆上骨折とは、小児に最も多い骨折のひとつで、肘の骨折の約6割にものぼり、上腕骨の遠位部で起こります。原因としては転んで手をついたり、鉄棒などから転落して、肘が反ることで骨折します。骨折のずれが大きいときには骨折部で正中神経、橈骨神経、尺骨神経、上腕動脈などがひっかかったり圧迫されたりして、肘から指先への麻痺や循環障害が発生することがあります。

変形性肘関節症

変形性肘関節症とは、肉体労働を続けた高齢の男性に多く、肘の軟骨がすり減ったり骨の変形が生じる病気です。原因不明で加齢に伴う一次性変形性肘関節症と、何らかの原因で起こる二次性変形性肘関節症があります。二次性の原因としては、肘関節内骨折、脱臼などの外傷や、大工仕事、野球などで肘関節の酷使することで起こるもの、関節炎、血友病や先天異常などがあげられます。大半は肉体労働や激しいスポーツなどで長期間肘を酷使し続けてきた人に多く発生します。

前骨間神経麻痺・後骨間神経麻痺

前骨間神経麻痺・後骨間神経麻痺とは前腕の橈骨と尺骨の間をつなぐ骨間膜の前後を走る神経が麻痺する病気です。 前骨間神経は肘のあたりで正中神経から分岐し、主に親指と人差し指の第1関節を動かす筋肉を支配します。前骨間神経は肘の辺で橈骨神経から分岐して回外筋に潜り込み、指をのばす筋肉を支配します。どちらも何らかの原因で神経が外部からの圧迫を受け、神経炎が起き麻痺を生じるためといわれています。しかし、はっきりとした原因はわかっていません。

尺骨神経麻痺

尺骨神経麻痺とは、何らかの原因で尺骨神経が圧迫されて神経麻痺が起こる病気です。尺骨神経は、正中神経と共同で手首の屈曲をしたり、小指と薬指の屈曲などを行っています。原因としては、怪我や骨折などの外傷がもとでの肘の変形、変形性関節症、骨棘、ガングリオンなどの腫瘤・腫瘍、絞扼性神経障害(肘部管症候群、ギヨン管症候群など)などがあります。また、肘の圧迫や長時間の肘の屈曲なども原因となるため注意が必要です。

橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)

橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)とは、転んだ際に手をついて前腕の橈骨が手首のところで折れる骨折です。コレス骨折は橈骨の遠位置骨片が手の背側に転位し、フォークを伏せて置いたような変形が生じるもので、手のひらをついて倒れたときに手関節が背屈されて折れるのが原因です。スミス骨折は、橈骨の遠位片が手のひら側に転位し、コレス骨折の逆の変形を生じるものです。これは、自転車のハンドルを握ったまま倒れるなど、手の甲をついて倒れたときに生じます。

手根管症候群

手根管症候群とは、何らかの原因で手根管に圧力がかかり、中を通る正中神経が圧迫されて手の指に痛みやしびれが生じる病気です。妊娠・出産期や中年以降の女性に多く、怪我や骨折などの外傷、長時間の反復作業やスポーツなどで手を酷使することなどで生じます。透析でアミロイドという物質が沈着することも原因で、透析している人にも多く生じます。腫瘍や腫瘤などで手根管が圧迫されることでも生じるケースがあります。甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、先端巨大症などの合併症として発症する例もあります。

舟状骨骨折

手舟状骨骨折とは、スポーツや交通事故などで転倒し、手関節が背屈して手をついたときによく起こる骨折です。 スポーツによる受傷が半数近くを占めており、一般的に男性に多くみられ、あらゆる年齢層に発生します。疲労骨折で発生することもあります。舟状骨は手根骨の1つで、親指に近く手関節を構成しています。小さくレントゲンで骨折線を見逃しやすいため、単なる捻挫と間違われやすいのも特徴です。手根骨骨折の中で最も頻度が多い骨折です。

キーンベック病

キーンベック病とは、月状骨軟化症ともいい、何らかの原因で手関節内の月状骨への血行が断たれて骨壊死を起こす病気です。20代〜の働き盛りの男性に多く、大工、農漁業、工場員など手を酷使する人によく発症します。時には主婦や事務職、高齢の女性にも発症することがあります。キーンベック病の原因としては、手の使い過ぎにより月状骨に微細な外傷が繰り返され、栄養血管の血行が阻害されることにより起こるといわれていますが、はっきりとしたことはわかっていません。

ドケルバン病

「ドケルバン病 」は、親指の「狭窄性腱鞘炎」のことで、腱鞘炎の一種です。手に繰り返し刺激が加わることで、手首の周りの指を動かすためにある「腱」が炎症を起こすと、腫れや痛みが生じてきます。「手の使いすぎ」「親指の使いすぎ」以外の原因としては、結核や関節リウマチ、細菌の感染による「化膿性腱鞘炎」もあります。20歳代、50歳代女性に多く見られる病気です。

ばね指

「ばね指(ゆび)は、「弾撥指(だんばつし)」「弾発指」とも呼ばれる、手の指に起こる腱鞘炎の一種です。 主に、手や指の使いすぎによって引き起こされるものですが、他の原因として、出産したばかりの女性や、更年期障害の女性など、肉体のバランスを崩しがちな高齢の女性にも多く見られます。 また、成長過程にある子供も発症する場合があり、指の動きが悪くなることがあります。この場合、6歳くらいで完治することが多く、それほど心配はいらないでしょう。

母指CM関節症

膝によく見られる「変形性関節症」という症状がありますが、「母指CM関節症」は、母指に起こる変形関節症です。「母指」とは親指のことで、関節の表面を覆っている軟骨がすり減ったり、加齢や指の使いすぎなどが原因と考えられています。 産後や閉経後の女性に多く見られるため、女性ホルモンとの関連もあるかもしれませんが、はっきりしたことは分かっていない状況です。 母指CM関節症は、女性の患者が多く、40~50代の中年層の方によく見られる病気です。

ヘバーデン結節

「ヘバーデン結節」の原因については、今のところ明らかにされておらず、手をよく使う職業の方に多く見られる傾向が有ります。40歳以上の方の発症例が多く見られ、遺伝性は確認されていませんが、親、祖父母がこの病気の場合は、念のため、指先に負担をかけないよう注意して生活します。

マレット変形

「マレット変形」は、「槌指」とも呼ばれ、指の第一関節が、まるで「木槌」のように曲がる症状が起こります。野球やバレーボールなどでボールが指に当たり、指先の骨折を起こしたり、欠けたりすることを「マレットフィンガー」と呼ばれます。「ただの突き指」と思って長い間放置することのないように、気をつけたい症状です。

指の屈筋腱損傷

指がドアに挟まれ、腱が皮下で切れた場合、また手首、手のひら、指などを刃物で切った場合、指を曲げるための筋肉と指先をつないでいる腱が切れて力が入らない状態となり、指が曲がらなくなります。 腱が押しつぶされる、引きちぎられるということがあった場合、腱が指の骨から剥がれて「指の屈筋腱損傷」が起こります。

爪周囲炎

「急性爪周囲炎」の場合、さかむけや傷、水や洗剤による刺激などにより表皮の裂け目から細菌が侵入して起こります。指しゃぶりや、爪を噛む癖のある人などに多く見られます。 手の指だけではなく、足の指にも見られます。 「慢性爪周囲炎」を起こす人は、バーテンダーや皿洗い、家政婦など、水や洗剤を常に使う人に多く見られます。

デュピュイトラン拘縮

「デュピュイトラン拘縮」の原因は不明とされています。 手のひらの内部にある「腱膜」が厚くなり、手のひらから指にかけてコブのようなものができ、皮膚がひきつって伸ばしにくくなります。 手掌腱膜(しゅしょうけんまく)への小さな外傷の繰り返しで起こるのではないかという説もあります。

橈骨神経麻痺

橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)は、腕枕をするとしびれて神経麻痺を起こしてしまうようなものです。 うたたねや注射などによっても起こることがあり、30~40分の居眠りで麻痺を起こしてしまう場合もあるため、誰でも起こりうると言えます。 腕相撲や骨折、圧迫、そのほか手術後の後遺症が原因の場合もありますが、基本的には必ず治ります。 お酒を飲んで寝てしまった場合、更に起こりうる症状となります。

正中神経麻痺

正中神経麻痺は「手根管症候群」と同様の症状が見られ、手の使いすぎによる腱鞘炎、糖尿病、甲状腺機能低下症などにより正中神経が損なわれ麻痺を起こします。 寝ているあいだに手のしびれを感じ、目が覚めるのはこの症候群の特徴的症状です。 ケガや骨折などの外傷が原因であるケースの他、運動のしすぎなどによる神経障害などで発症します。

膝の症状
変形性膝関節症

変形性膝関節症とは、何らかの原因で膝関節の機能が低下し、膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形が生じる病気です。明らかな原因がない一次性変形性膝関節症と、怪我や炎症などの後に生じる二次性変形性膝関節症とがあります。90%以上は一次性変形性膝関節症で、女性に多く、65歳以上に急増しています。変形性膝関節症の原因としては関節軟骨の老化が最も多く、その他肥満や遺伝などの素因も関係しています。また、二次性では靭帯や半月板損傷、骨折などの外傷、化膿性関節炎などの後遺症として発症する場合もあります。

半月(板)損傷

半月(板)損傷とは、膝関節の左右にある内側半月(板)、外側半月(板)が何らかの原因で損傷し、断裂した状態をいいます。原因としては、スポーツや怪我などの外傷により膝にひねりがかかって生じるケースと、加齢でもともと傷つきやすくなっている半月に軽微な外力が加わって損傷してしまうケースとがあります。内側半月(板)はスポーツにより損傷することが多く、外側半月(板)は先天的に半月板の形が大きい場合(円板状半月板)に自然損傷するケースが多くあります。また、加齢により半月は変性するので、40代以上は少しの外力でも半月(板)損傷が生じやすくなります。

膝靱帯損傷

膝靭帯損傷とは、膝関節の中にある膝前十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などが、スポーツや怪我などの外力により切れ、関節にゆるみを起こしてしまう病気です。原因としては、スポーツなどで強い力が膝に加わる、転倒して硬いコンクリートに脛をぶつける、交通事故で車のダッシュボードにぶつけるなどがあり、その外力の方向に応じて様々なタイプの靭帯損傷を生じます。最も頻度が多いのは内側側副靭帯損傷で、非常に強い外力がかかった場合は複数の靭帯に損傷が起きることもあります。

膝離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎とは、関節軟骨が軟骨下骨から薄い骨片を伴ってはがれてしまう病気です。10代の成長期の男子に多く、野球やテニスなどのスポーツ選手に時々発生します。原因としては、成長期の骨軟骨の結合が弱いために、繰り返される外力や外傷によって軟骨下の骨に負担がかかるためと考えられています。最も多いのは肘関節(上腕骨小頭)で、膝関節、足関節、股関節の順に多くみられます。野球肘、テニス肘、ゴルフ肘などはこれに含まれます。

オスグッド病

オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)とは、膝の脛骨の一部が剥がれたり、大きく隆起し変形することによって痛みを生じる骨軟骨炎症です。原因としては、10代の成長期の子供が飛んだりボールを蹴るなどのスポーツを繰り返し行うことによって、脛骨結節の成長線に過剰な負荷がかかり発生します。成長期の子供に起こるために成長痛と間違われやすいですが、オスグッド病は厳密には成長痛と異なります。成長痛は成長期の軟骨が引っ張られることにより痛みを生じる障害(病気ではない)で、オスグッド病は脛骨の一部がはがれたり変形したりする骨軟骨炎症です。

スポーツによる膝の慢性障害

スポーツによる膝の慢性障害とは、スポーツ中の急激な衝撃や動作によって膝を痛めてしまうことをいいます。原因としては、急性的な怪我によるスポーツ外傷と、ランニングやジャンプなどを長時間繰り返し行うことによる慢性的な怪我(スポーツ障害)とがあります。オーバートレーニングにより起こるため、使い過ぎ症候群とも呼ばれています。障害を起こしやすいリスクとしては、筋力不足、骨の成長や筋の伸びのアンバランス、柔軟性不足、体力や技術に合わない練習、足に合っていない靴、地面が硬すぎたり柔らかすぎたりすることなどが挙げられます。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは、何らかの原因で膝蓋骨が脱臼してしまう疾患です。初回の脱臼は10代の若い女性に発生することが多く、その後20〜50%の人が繰り返し脱臼を起こすことがあります。原因としては、ジャンプの着地や踏ん張ったときに膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに起こります。また、膝蓋骨・大腿骨の形の異常、X脚、大腿四頭筋の作用する方向と膝蓋靭帯の方向が異なっている場合などに起こりやすいとされています。

腓骨神経麻痺

腓骨神経麻痺とは、下腿を走行する腓骨神経が何らかの原因で損傷、断裂し、麻痺が生じる病気です。原因としては、長時間にわたって足を組む姿勢をとること、膝を曲げた姿勢をとること、硬い床の上で横向きに寝ること、ギプス固定で腓骨頭部が後ろから圧迫されるなど、腓骨頭部が外部から圧迫されることなどがあります。また、ガングリオンなどの腫瘤や、腫瘍、交通事故による開放創や怪我、腓骨頭骨折、外傷などによっても生じます。

O脚・X脚

O脚・X脚とは、下肢の形態的異常を指します。O脚(内反膝)は、いわゆるがに股のことで、両膝が外側に彎曲し、左右の内くるぶしをそろえても膝の内側が接しないものをいいます。X脚(外反膝)は両膝が内側に彎曲し、左右の膝の内側をそろえても内くるぶし同士が接しないものをいいます。原因としては、生理的な変形と病的な変形がありますが、病的な場合、Blount病やくる病などの先天的・後天的な大腿骨頸骨形態異常、外傷性の変形、靭帯の異常などがあります。

膝関節捻挫

膝関節捻挫とは、膝関節部で骨同士が動いて起こる怪我のうち、X線で異常がない関節部軟部組織の挫滅をいいます。膝関節の外傷はしばしば日常で起こる損傷です。原因としては、激しいスポーツ(スキー、テニス、バレーボール、バスケットボール、サッカー、陸上競技など)、長時間の正座や庭の草取り、階段の上り下りなどの重労働で膝を捻ったり過度の負担がかかったりして、膝関節の靭帯が損傷したときに発症します。靭帯の外傷は、重症度により1度(部分断裂)から3度(完全断裂)に分類されています。

足の症状
足関節捻挫

足関節捻挫とは、足関節の可動域を超えた為に靭帯が損傷される障害です。多くは外くるぶしから距骨につく前距腓靭帯を痛め、さらに進むと踵腓靭帯を痛めます。原因としては、足を底屈して内側にひねった状態で、足の甲の外側に体重をかけて発生することが大多数を占めます。発生場所はスポーツの他に、段差などでつまずいて起こる場合があります。靭帯の損傷程度によって3つに分類されており、靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の部分断裂を2度捻挫、靭帯の完全断裂を3度捻挫とされています。

足関節果部骨折(脱臼骨折)

足関節果部骨折(脱臼骨折)とは、何らかの原因で足関節に強い外力が働いた場合に生じる、足関節部(頸骨、腓骨、距骨)の骨折をいいます。原因としては、階段や高いところからの転落、足を踏み間違える、穴に足をとられるなどして足を内側にひねり、足の甲の外側に体重を大きくかけたことで起こります。逆に、足を外側にひねって起こることもあります。外力のかかる方向により、様々な骨折や靭帯損傷を組み合わせた病態になります。

アキレス腱断裂

アキレス腱断裂とは、下腿三頭筋や腓腹筋が強く収縮したり、直達外力や介達外力が加わったり、過度に伸ばされたりしてアキレス腱が断裂した状態をいいます。原因としては、ダッシュ、ジャンプ、踏み込みなどの動作で下腿三頭筋が急に収縮したり、着地などで急に筋肉が伸ばされたりしたときに起こります。20〜50歳代のスポーツ愛好家に多く、以前は男性が多く負傷してましたが、現在は女性のスポーツ人口が増えた為に性差はありません。

肉離れ

肉離れとは、筋肉が伸ばされながら急激に収縮することによって、筋膜や筋線維の一部が損傷(断裂)することをいいます。原因としてはスポーツによるものが多く、筋力不足や運動前の不足、運動後のストレッチ不足、過去の損傷、筋力のアンバランス、急な気候の変化、体調不良、睡眠不足、オーバートレーニングなどによって起こりやすくなります。ほとんどが下肢に発生し、ハムストリングス、ふくらはぎ、大腿四頭筋に多く発生します。

距骨骨軟骨損傷

距骨骨軟骨損傷とは、捻挫など強い力が加わった際に、距骨滑車と呼ばれる足関節の関節軟骨面で、軟骨の一部が剥離したり欠けてしまう病態をいいます。原因としては、捻挫などの強い外力により距骨が頸骨、腓骨の関節面と衝突して損傷すると考えられていますが、明らかな原因がなくても毎日の反復運動で徐々に損傷していく場合もあり、はっきりとしたことはわかっていません。また、スポーツ選手に多くみられることから、慢性的なストレスも一因ではないかと考えられています。

外反母趾

外反母趾とは、足の親指の付け根の関節部分で、外側に曲がってしまう状態をいいます。親指の第1中足骨が反対側に曲がり、親指に連なる骨全体が「くの字」に曲がっているのが特徴です。原因としては、足に合わない靴(かかとの高い靴、幅の広すぎる靴など)を長時間履き続けることによるものといわれています。女性に多くみられますが、その理由は女性の方が男性よりも筋力が弱いため、重力の影響をうけやすいからといわれています。

成人期扁平足

成人期扁平足とは、成人になっても土踏まずがない足のことをいいます。幼児の頃は足裏に脂肪がついているため、土踏まずがない子供が一般的です。しかし、土踏まずが形成される8歳以降になっても土踏まずがない場合、扁平足とよばれ、女性に多くみられます。成人期扁平足の原因としては、遺伝性の他、加齢や肥満、糖尿病、関節リウマチなどにより後脛骨筋機能不全が起こり、足のアーチ構造が低下するために発生すると考えられています。

内反足

内反足とは、足が内反・内転・尖足をとり、矯正困難な足の変形がみられる病気です。先天性のものと後天性のものとがあります。先天性内反足は、足の先天性奇形の中でも最も多く、1000人に1人の割合で発生し、男子に多くみられます。片足だけにみられるものと、両足にみられるものがあります。原因はいまだはっきりとわかっていません。後天性内反足は、脳性麻痺や急性灰白髄炎(ポリオ)などで下肢が麻痺してしまうことが原因と考えられています。

モートン病

モートン病とは、足底趾神経の絞扼障害により、足裏の中指と薬指の付け根付近から指先にかけて痛みやしびれがあるものをいいます。原因としては、合わない革靴やスキー靴などを履くこと、ハイヒールの常用、中腰での作業、長時間のつま先立ちや歩行などがあります。外側に体重がかかるような立ち方・歩き方をしていると、第3足趾、第4足趾に負担がかかり、症状を発生しやすくなります。また、マレット指や扁平足であると、モートン病の発生リスクが少し高くなるといわれています。

足の慢性障害

足の慢性障害とは、スポーツや歩行などで足のいろいろな部位に痛みが生じる病気です。種子骨障害、外脛骨障害、足底腱膜炎、踵骨々端症、踵骨滑液包炎などがあり、それぞれ特有の痛みがあります。原因としては、サッカーや陸上競技、バスケットボール、バレーボールなど、ランニングやジャンプが多いスポーツで、足の筋肉や腱に衝撃が頻繁に及ぶためといわれています。この他、足の柔軟性低下や扁平足、不適切な屈、足場の悪い路面での練習なども発生しやすくなると考えられています。

股の症状
変形性股関節症

変形性股関節症とは、何らかの原因で関節軟骨が変性・摩耗したり、骨の変形が生じることによって運動障害や痛みを生じる病気です。原因不明の加齢による一次性変形性股関節症と、何らかの原因で起きる二次性変形性股関節症とがあります。二次性変形性股関節症の原因としては、先天的に股関節の形が小さい臼蓋形成不全、発育性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症などの小児の病気の他、脱臼・骨折などの外傷、化膿性関節炎・通風などの炎症によるものなどがあります。

特発性大腿骨頭壊死症

特発性大腿骨頭壊死症とは、何らかの原因で大腿骨の上部にある大腿骨頭の一部が血流の低下により壊死し、関節が変形・破壊される病気です。30〜50代に多く、年間約2000人〜3000人の発症があり、厚生労働省の特定疾患に指定されています。そのため、医療費の患者自己負担分は公的な助成を受けることができます。男性ではアルコールの飲み過ぎ、女性ではステロイド剤の服用に関連することが多いといわれていますが、原因ははっきりわかっていません。

大腿骨頚部骨折

大腿骨頸部骨折とは、太ももの骨(大腿骨)の脚の付け根に近い部分での骨折をいいます。大きく分けて、股関節の関節包の外側で骨折する「大腿骨頸部外側骨折」と、関節包より内側で骨折する「大腿骨頸部内側骨折」とがあります。関節包に外側は血流が良いため骨がつきやすいですが、内側は血流が乏しいため骨がつきにくく、両者では治療法が異なります。大腿骨頸部骨折の原因の95%は転倒によるもので、骨粗鬆症などで骨がもろくなっている高齢者や女性に多くみられます。若年者では交通事故、スポーツなどでも発生します。特に原因がなく、いつの間にか骨折していたという人も3〜5%みられます。

骨盤骨折

骨盤骨折とは、文字通り骨盤内で発生した骨折のことです。骨盤は左右の恥骨、座骨、腸骨、仙骨で構成されており、輪になっています。この輪を崩さず、それぞれの骨内単独で発生したものを「単独骨折」といい、輪が崩れたものを「環骨折」と呼びます。骨盤骨折の原因としては、ほとんどが自動車事故によるものですが、その他転落、墜落などでも起こります。非常に特殊な例として、若年者のスポーツ外傷として起こる剥離骨折や、高齢者が転倒など軽い外力により起こる骨盤骨折もあります。

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