骨盤骨折について
変形性股関節症|特発性大腿骨頭壊死症|大腿骨頚部骨折|骨盤骨折
骨盤骨折の原因
骨盤骨折とは、文字通り骨盤内で発生した骨折のことです。骨盤は左右の恥骨、座骨、腸骨、仙骨で構成されており、輪になっています。この輪を崩さず、それぞれの骨内単独で発生したものを「単独骨折」といい、輪が崩れたものを「環骨折」と呼びます。骨盤骨折の原因としては、ほとんどが自動車事故によるものですが、その他転落、墜落などでも起こります。非常に特殊な例として、若年者のスポーツ外傷として起こる剥離骨折や、高齢者が転倒など軽い外力により起こる骨盤骨折もあります。
骨盤骨折の症状
骨盤骨折の症状としては、骨盤部の激痛と腫脹、自力で動けない、座れないなどがあります。骨盤輪の連続性が失われていると、骨盤がぐらつきます。また、骨のずれによる下肢の長さの短縮、内臓損傷による血尿、膣からの出血、肛門からの出血などがみられることがあります。特に、交通事故などの大きな外傷により、骨盤輪内の内腸骨動脈が損傷されると出血性ショックを生じることがあるため、頻脈・結膜の貧血・脈の速さなどに注意する必要があります。
骨盤骨折の治療方法
骨盤骨折の治療は緊急を要します。最も恐ろしいのは、内調骨動脈損傷による出血性ショックで命に関わるため、直ちに血管造影を実施し、スポンゼルコイルを用いて出血している動脈の血管塞栓術を行います。膀胱・大腸損傷などが発生している場合は手術を行います。止血処置が的確に行われ、ショック状態を離脱できれば、骨折部位の治療を計画します。局所麻酔下での創外固定や内固定などが主に行われますが、骨盤の安定性が損なわれている場合は、キャンバス牽引ハンモック式骨盤懸垂狭圧帯による骨盤固定が実施されます。
股の症状
その他部位の症状